【完】再会した初恋の彼はチャラくて、イジワルで、ときどき優しい
稲葉は当然立ち上がり、雅の周りを一周してジロジロと見始めた。




え、何?なんでそんなにジロジロと見てるのよ!?顔だけじゃなくて身体まで。




まるで舐めるかのように見続ける。




そして稲葉はフッと笑い、衝撃的な言葉を雅に浴びせた。



「お前、すげー地味だな(笑)」





え?えぇーー!?





突然私のことを見始めたと思ったら、地味って…。





「あんたなんか…」




次第に身体がプルプル震え始めた。これは恐怖ではなく、怒り。



「なんだ?」



顔を上げた雅はさっき稲葉に睨まれた時と同じ、鋭い目付きをする。




「大っ嫌いだー!」





クラスの皆が驚くほどの大きな声。




雅は叫んだ後、席についてスマホをいじり始めた。





さよなら、私の初恋…。





六年も経てば人の見た目は変わる。





それを実感することが出来た。




いいのか、悪いのか……。
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