【完】再会した初恋の彼はチャラくて、イジワルで、ときどき優しい
「こんなに可愛いかったんだな。小鳥遊の素顔」




「稲葉くん‥‥?」




いつもの稲葉くんじゃない。こんなに人のことを褒める稲葉くんなんて初めて。




スっと伸びてきた稲葉の手が頬に触れると、一瞬のうちに唇を奪われる。




「んっ!んん……」




抵抗しようと彼の肩に触れたが、こちらの力はとてもかないっこない。




「稲葉、くん」





「小鳥遊……」




目頭が熱くなってきた。稲葉くんの目もなんだか潤んでいる。




私の名前を呼んでいる声も吐息が出ていて色っぽく感じる。抵抗した時に掴まれた手まで熱い。
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