【完】再会した初恋の彼はチャラくて、イジワルで、ときどき優しい

言葉の続き

カラオケ店を出た二人は帰り道を何も話さず歩いていた。




お互いずっと黙ったまま。“ありがとう”って言いたいけど、言い出すタイミングが掴めない。




「なぁ、どうだった?クラス会」





最初に口を開いたのは稲葉くんだった。





「最悪。楽しいと思えることが一つもなかったよ。それにさ、他の皆はメガネのことでいじってくるし、私が今日伊達メガネしてないのは水谷くん為とか言ってきて。勘違いもいいところよ!私が水谷くんのこと好きなわけないのに。私には他に好きな人がいるのに……」





「小鳥遊って好きな人いたんだ」





「え!?」





やだ。





今私、稲葉くんの前で好きな人がいるって言っちゃった?!完全に無意識だった。






「誰なんだ?小鳥遊が好きな奴って。俺の知っている奴?」
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