【完】再会した初恋の彼はチャラくて、イジワルで、ときどき優しい
それでも稲葉は雅の耳の近くから離れようとしない。




くすぐったい。





耳が熱くなっているのが分かる。いくら弱いからってやりすぎだよ。






こうすれば私が大人しくなるって分かっているからこんなことしてるんだ。




「雅」





「やっ!」




名前を呼ばれた瞬間に吐息が当たって、身体がビクッとした。





「俺にこうされるの嫌い?」





それでも離れることなく、稲葉は首元ですりすりとしながら話し続ける。





嫌いとか好きとかそんな問題じゃないでしょ!?外だし。誰が通って来たらどうするのさ。





「早く帰らないと…」





「まだいいだろ?それともここじゃ嫌?なら俺の家に行こうぜ」

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