【完】再会した初恋の彼はチャラくて、イジワルで、ときどき優しい
「だから、その服も髪ももちろん雅も可愛いって言ってんだ!あんま言わすな。これ以上暑くなったら熱中症になるだろ」




気づいてくれた。それだけでもここまで走ってきた疲れがなくなる。





耳まで赤くなるほど稲葉くんは私を『可愛い』って想ってくれたんだ。





そうだよ。時間かかっているからとかじゃなくて、好きな人に『可愛い』って言われることが何よりも幸せなことなんだ。





私は私らしく、自分のペースでコーデやヘアアレンジをすればいい。





周りの視線なんかより、目の前の人のことを考えながら自分を磨けばいいんだ。





それがいつかこの日よりも可愛くて、綺麗な人になって『可愛い、綺麗』って言われる日を少しずつ目指そう。





周りがじゃなくて、私と好きな人のために…!
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