【完】再会した初恋の彼はチャラくて、イジワルで、ときどき優しい
「井口あまりこっち寄らないで!暑い」




ん?




「一緒に並んでるんだから仕方ないだろ!?お前こそあまり大声出すな!俺の方が暑くなるだろ?」





なんか聞き覚えがある声。





「雅、気づいたか?」






「うん。この声って井口先輩と千田先輩だよね?」





まさかあの二人がここに来ているなんて。いつも通りケンカしているけど………。





「ここまで声がするとはな。見てみろよ。一番前にいるぜ」





私たちは先頭からかなり離れているところ。ここからじゃ先頭すらあまり見えないのに。






ここまで声が届くなんて。





部活で普段から声を出しているから癖になっているみたい。




ていうか渉って目が良いのね。この距離でもはっきりと先輩たちの姿を見つけられているし。

< 169 / 218 >

この作品をシェア

pagetop