【完】再会した初恋の彼はチャラくて、イジワルで、ときどき優しい
「そ、そうか。…悪かった」




人前でメガネは外したくない。素顔を見られたら私は…。





体中がガタガタと震え始め、昔のトラウマが雅の脳内に蘇り始める。





『小鳥遊って顔が可愛いだけで性格はすっげ〜ブスなんだぜ。あんな奴に付き合う男なんていねーよな。ははは…!』






やめて…私から離れて…。




それ以上何も言わないで…!




「小鳥遊…!」





「はっ…!稲葉くん…?」




肩に手を置かれた瞬間に我に返り、雅は辺りをキョロキョロと見渡した。





そうか今は高校。あの人はここには居ないんだ。
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