【完】再会した初恋の彼はチャラくて、イジワルで、ときどき優しい
「バカ。そういうところが可愛げないんだよ千田は」





マイクを持った手を掴んで自分の方を引き寄せて優しく抱きしめた。






マイクを落としそうになった手に今一度力を入れて、井口の背中に自分の手を置いた千田は溜まっていた涙が頬を伝って流れた。







「井口が好きだよ私」







「分かったって。その言葉は後で沢山聞いてやる」







私まで涙が出た。





井口先輩のその真っ直ぐな気持ちがこっちにも伝わってきて。
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