【完】再会した初恋の彼はチャラくて、イジワルで、ときどき優しい
その涙は稲葉が拭い、そっと雅の肩を抱いた。





「先輩たち、嬉しそう」






「今まですれ違った分、嬉しさが溢れてんだろうな」






ショーが終わってスマホを受け取りに二人の元に向かった。






「ありがとな稲葉。これが無かったら俺は千田に気持ちを伝えることが出来なかった」






「お役に立てて良かったです。これからあまりケンカしないように」






「それは千田次第かな?」




井口がチラッと千田のことを見ると、いつものようにキッと睨んでズカズカと近づいてきた。




「あのね、あんたも少しは努力をしてほしいんですけど!?大体ね、井口はいつもいつも私に対して態度がデカいの!ちょっとは稲葉を見習ってほしいわ!」



「はぁ!?お前こそ、少しは小鳥遊みたいにおしとやかになれよ!さっきまで可愛いなって思った俺がバカだったみたいじゃねーか!」





「うるさいわね…!!これが私なんだから仕方ないでしょ!?それに惚れたのはどこの誰よ?!」





中々言い争いが終わらないのを見ていた雅たちはため息をついた。




そこは二人で努力してほしいと思う稲葉と雅だった。
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