【完】再会した初恋の彼はチャラくて、イジワルで、ときどき優しい
次の日の朝。




雅は大きなあくびをしながら通学路を歩いていた。





結局昨日寝れたのは夜中の二時。昔のことを思い出したりして、なかなか眠れなかった。





今日から授業始まるのに大丈夫かな私。入学早々、居眠りなんてしたらこの先、問題児として扱われるなんてたまったもんじゃない。





稲葉くんに心配かけちゃったし。





教室に着いたら謝っとこう。





『地味だな』





いやいやいや。




なんで私がアイツに謝らなきゃいけないのさ。




別に悪いことした訳じゃないし。





教室に着いて席に座ろうとすると、雅の席には稲葉が長い足を組んで偉そうに座っていた。





何なのよこの人は…!





長い足見せつけてるの?





それとも嫌味ですか?!ていうかそこ、私の席なんですけど。





「よう。遅かったな」





「気づいたなら避けてくれる?座りたいんだけど」





「はいはい。どうぞおすわりください」





全く。






「そうだ。お前の入部届け、俺が出しておいたから。今日の放課後、ジャージ着て第一体育館に来いよ」
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