【完】再会した初恋の彼はチャラくて、イジワルで、ときどき優しい
「…は。渉」





身体の熱が上がって火照って、息が上がる。これで終わると思っていたが、稲葉は完全にスイッチが入っていた。






「んっ…まだ足りない....。心配させた分きっちり払ってもらうから」




頬に手を添えて再び自身の唇をゆっくり重ねようとする。




「ちょっと…!んんッ!」






また少し強引になった。今までこんなにキスしたことがなかったからなんか、変な感じがする。







「はぁ…はぁ…。なぁ、俺ん家行かないか?帰り送るからさ。ここだと思いっきりやれないし」






「結構思いきっていたと思うけど?あれだけじゃ足りないの?」






自分の顎を雅の肩に置いた稲葉は普段は隠れている真っ白な首に唇を落とす。






ビクッとなった雅は反射的に稲葉の服を掴んだ。






「足りない。だからもっとしたい」






「渉って結構あれだよね」






「あれってなんだよ?」



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