【完】再会した初恋の彼はチャラくて、イジワルで、ときどき優しい
渡されたのはさっき雅が稲葉に渡したタオル。





「な、何よこれ…」





「それで顔を拭け。汗臭いのは我慢しろ」





別に匂いとか気にならないけど、稲葉くんのだと思うとちょっと気にしちゃう。






「貸せ」






タオルを強引に取り、雅の顔をゴシゴシと吹き始めた。






「ちょっと、痛い…!拭くならもう少し優しく」






「わがまま言うな。ほら、これで風邪引かなくて済むだろ」






「別に風邪なんか引かないし。こんなに暖かいのに」
< 37 / 218 >

この作品をシェア

pagetop