【完】再会した初恋の彼はチャラくて、イジワルで、ときどき優しい
「また震えてるぞ」





言われて気づいた雅は自分の肩を抑えようした瞬間、稲葉の腕の中に引き込まれていった。





「稲葉くん?」





「震えが止まるまでこうしててやる」





いつもはイジワルなのにこういう時は優しい。やっぱり稲葉くんはあの頃のままだ。






それに私も変わらなかった。私は今も昔を変わらずに稲葉くんが好き。






「そろそろ行こう。皆心配してるかもよ」






自ら離れて少し無理をした笑顔で稲葉に伝える。






「もう平気なのか?」





「うん。ほら行こう」
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