【完】再会した初恋の彼はチャラくて、イジワルで、ときどき優しい
「なるほどな」





「かっこ悪いよね?いまだにこんな事気にしているし、怖がってるし…」







「そんな事、これっぽっちも思ってねーよ!」







怒りがこもっている訳でもない。ただ稲葉の必死な気持ちがその声の大きさに現れた。







驚いた雅は肩に力が入る。真剣な目で見つめる稲葉に視線が逸らせない。







稲葉は手に持っていたモップを投げ捨てて雅に近づいてきた。そしてその腕で雅を抱きしめる。







「かっこ悪いわけないだろ。お前はよく頑張った。こんなお前を悪く言うアイツの方がよっぽどかっこ悪い」
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