【完】再会した初恋の彼はチャラくて、イジワルで、ときどき優しい
雅が外に出ると稲葉が丁度ランニングを終えていた。稲葉に作ったドリンクを片手に駆け寄る。






「稲葉くんおつかれ。はい、ドリンク」







「おう、サンキューな」






汗の量が多い。あとで経口補水液を少し作って持っていこう。他のみんなもかなりの汗をかいていたはずだし。





「今日も暑いね。日陰で休もうか」





それと涼しい場所でリラックスするのも大事。





「そうだな」







競技場の裏にある日陰で休むことにした。ここは風当たりが良くて休むにはピッタリな場所だ。





ここはコンクリートでできているから日陰ならヒンヤリしていてある程度身体もクールダウンできる。





「調子どう?」






「問題ない。これなら明日の試合はバッチリだ」






「…花火絵監督から聞いたんだけど稲葉くん、中学最後の試合でケガしたんだよね?」






「あぁ。そうか聞いたのか。てことは俺がまだ気持ち的に負けていることも聞いたのか?」
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