【完】再会した初恋の彼はチャラくて、イジワルで、ときどき優しい
「えーと…お腹が空いた?」





「違う。まぁそれも当たってはいるけど。もっと他のことだ」





もっと他って…あ!分かった!きっとコレに違いない…!







「じゃあ監督のメニューは疲れる!これでしょ」






自信満々に言うと稲葉は吹き出して笑う。





ハズレてしかもドヤ顔で言った自分が恥ずかしくなってしまった雅はあわてて周りをキョロキョロみて挙動不審になる。






「ははっ!確かに監督のメニューは疲れるけど、それも違う。やっぱり分からないかー。ちょっと耳貸せ」






耳?誰もいないんだから普通に話せばいいのに。






そう思いつつも、稲葉に自分の耳を貸す雅。そして稲葉はその耳にふぅ〜っと息をかけた。






「いやぁ!な、ななな何するのよ!?」
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