公認ラヴァ〜それでも愛してる〜
『明日は部屋でシヨ』

しつこくメッセージを送るなと注意してからは、すっかりおとなしくなり昼休みに一言だけメッセージが入った。
ホテルよりは時間制限がない分話しやすいかも知れない。

『わかった』と、一言で返した。

仕事中も落ち着かなかった、何度も終わりにしたいと思っていても彼女にうまくはぐらかされたり脅されたりした。

冷静に考えれば、彼女が部長にバラしたところで彼女自身既婚者であるオレを誘惑したという事実だってあるのだから、もっと毅然とした態度をとればいいんだ。

そもそも、彼女とその恋人はどうなっているんだろう。


風呂から上がるとソファでくつろいでいる有佳の姿に欲情する、頭を有佳の肩にもたれさせるとほんのりと甘い香りがする。

むせるような匂いを纏うあの女とは違う。

「最近、有佳不足かも」

有佳はテレビを消した、OKの合図なのかもしれない。
有佳の肩に腕を回して抱き寄せる、このまま二人のベッドに連れて行こうと思っていたが

「ごめん、やっぱりちょっと具合が悪いかも。おやすみ」
と言って書斎に消えていった。

狐につままれたようだ・・・
あの夜、拒んだ事を有佳は気にしているんだろうか

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