あやかし戦記 奪われた愛の形
「決行はどうする?練習を重ねてからの方がいいかな?」

ギルベルトが訊ねると、すぐにチターゼが手を挙げた。

「巨人がいつまた暴れるかわかりませんし、早めに決行した方がいいと思います」

「僕もそれに賛成です」

アレンも賛成し、決行は三日後に行うことが決まる。作戦の内容が決まると、イヅナたちは立ち上がった。

「それなら、今から予行練習だ。本番さながらに行くぞ!」

ツヤがそう言い、イヅナたちは外へと飛び出して行く。その様子を心配そうに、しかし温かい目でハナエは見守っていた。



三日後、レオナードとヴィンセント、そしてチターゼとアレンとエイモンの五人は巨人がいる山を登っていた。

「はあ……はあ……結構キツイね」

エイモンが汗を拭い、「頑張りましょう!」とアレンとレオナードが励ます。ヴィンセントが「飲みますか?」と水筒を差し出し、チターゼが「もう少ししたら休憩した方がいいだろ」と提案する。
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