あやかし戦記 奪われた愛の形
「お前は……あの巨人を倒しに来た……」
「はい。先日は、ムサシ様に大変失礼なことをしてしまいました。申し訳ありません。それを償わせてください」
ムサシの返事は聞かず、イヅナはギルベルトとチェルシーに「お願いします」と声をかける。アレス騎士団の制服ではなく、ギルベルトはタキシードを、チェルシーは胸元の開いたセクシーなドレスを着て、部屋に入ってきた。
「な、何だお前たちは!」
ムサシは驚いたものの、赤いグロスが塗られたチェルシーの唇が「シー」と言うと頬を赤く染めながら口を閉ざす。
どこからともなくワルツが流れ出し、ギルベルトとチェルシーはその場でワルツを踊り出した。畳の上でタキシードとドレス姿の男女が踊っているのはどこか滑稽だが、まるで湖を優雅に泳ぐ白鳥を思わせる二人の踊りに、ムサシは目が離せないようだ。
ムサシが二人に夢中になっている間に、イヅナはそっと部屋を抜け出して宝飾品のある部屋へと廊下を走る。使用人と何度かぶつかりそうになったが、そんなことを気にしている暇はない。
「はい。先日は、ムサシ様に大変失礼なことをしてしまいました。申し訳ありません。それを償わせてください」
ムサシの返事は聞かず、イヅナはギルベルトとチェルシーに「お願いします」と声をかける。アレス騎士団の制服ではなく、ギルベルトはタキシードを、チェルシーは胸元の開いたセクシーなドレスを着て、部屋に入ってきた。
「な、何だお前たちは!」
ムサシは驚いたものの、赤いグロスが塗られたチェルシーの唇が「シー」と言うと頬を赤く染めながら口を閉ざす。
どこからともなくワルツが流れ出し、ギルベルトとチェルシーはその場でワルツを踊り出した。畳の上でタキシードとドレス姿の男女が踊っているのはどこか滑稽だが、まるで湖を優雅に泳ぐ白鳥を思わせる二人の踊りに、ムサシは目が離せないようだ。
ムサシが二人に夢中になっている間に、イヅナはそっと部屋を抜け出して宝飾品のある部屋へと廊下を走る。使用人と何度かぶつかりそうになったが、そんなことを気にしている暇はない。