禁忌は解禁された
「暁生くん、やっぱり帰りたい」
「え?どうして?
俺が冗談なんか言ったから?」
「違うよ。
暁生くんのことだって、傷つけてる」
「俺?」
「私は、颯天が好き。
暁生の気持ちには答えられないの」
「わかってるよ」
「なのに、デートなんておかしいよ!
私だったら、そんなの苦しい……!」
「俺は、一颯と一緒にいたい!」
暁生は一颯の反対側の頬にも触れ、頬を包み込んだ。
「暁生く━━━━━」
「俺は!!手に入らなくても、一颯と少しでも一緒にいたいんだよ!!頼むから、そんなこと言うなよ……」
「うん…」
「何をやってんすか?」
井田が、後部座席のドアを開けて暁生の肩を掴む。
「ちょっ…何!?」
「姫から手を離せ……」
肩を掴む手に力が入っていく。
「いてぇよ…!!」
「井田くん!やめて!!」
「あ……すみません!!姫!」
一颯の声に慌てて手を離す、井田。
「おい、謝るなら“俺に”だろ?
井田って……なんか似てるな、銀二さんに」
「は?俺なんかに似てるなんて、若に申し訳ないです。で!何処に姫を連れ回すつもりなんですか?」
「言葉悪っ!!
あ!だったら、家来る?」
一颯に向き直り、閃いたように言った暁生。
「え?暁生くんの家?」
「うん、それならいいよな?井田」
「当然の事ながら、俺も行きますよ!」
「当然の事ながら、わかってますよ」
そしてマンションに着き━━━━━━━
「凄いマンションだねー!景色綺麗~」
「そう?」
「姫、高層マンションなんですから、景色が綺麗なのは当たり前ですよ。別に暁生さんが凄いんじゃありません」
「そうかな~?こんなマンションに住めるなんて凄いと思うよ!」
「若も凄いマンション持ってますよ?」
「確かに!銀くんのマンションも凄いよね~」
「しかもそのマンション、若のマンションですからね!」
「え!?あのマンション、銀くんのなの!?」
「はい。他にもクラブのオーナーだし、店も持ってるし………」
「銀くんって、やっぱ凄いね……!」
「はい、俺の二番目に尊敬している人です!」
「へぇー!一番は誰?」
「組長……あ、元・組長です!あの方はほんと、素晴らしい!」
「フフ……なんか、嬉しい……!私が褒められたわけじゃないけど、お父さんのことそんな風に言ってもらえて嬉しい!」
「楽しそうだね。人の家で、二人共」
そこにいじけたように暁生が、一颯の顔を覗き込んできた。
「あ、ごめんね!」
「ううん。一颯、寂しいから慰めて?」
「え?慰め……えーと…よしよし!ごめんね、暁生くん」
暁生の頭をゆっくり撫でる。
暁生は少し照れたように、微笑んだのだった。
「え?どうして?
俺が冗談なんか言ったから?」
「違うよ。
暁生くんのことだって、傷つけてる」
「俺?」
「私は、颯天が好き。
暁生の気持ちには答えられないの」
「わかってるよ」
「なのに、デートなんておかしいよ!
私だったら、そんなの苦しい……!」
「俺は、一颯と一緒にいたい!」
暁生は一颯の反対側の頬にも触れ、頬を包み込んだ。
「暁生く━━━━━」
「俺は!!手に入らなくても、一颯と少しでも一緒にいたいんだよ!!頼むから、そんなこと言うなよ……」
「うん…」
「何をやってんすか?」
井田が、後部座席のドアを開けて暁生の肩を掴む。
「ちょっ…何!?」
「姫から手を離せ……」
肩を掴む手に力が入っていく。
「いてぇよ…!!」
「井田くん!やめて!!」
「あ……すみません!!姫!」
一颯の声に慌てて手を離す、井田。
「おい、謝るなら“俺に”だろ?
井田って……なんか似てるな、銀二さんに」
「は?俺なんかに似てるなんて、若に申し訳ないです。で!何処に姫を連れ回すつもりなんですか?」
「言葉悪っ!!
あ!だったら、家来る?」
一颯に向き直り、閃いたように言った暁生。
「え?暁生くんの家?」
「うん、それならいいよな?井田」
「当然の事ながら、俺も行きますよ!」
「当然の事ながら、わかってますよ」
そしてマンションに着き━━━━━━━
「凄いマンションだねー!景色綺麗~」
「そう?」
「姫、高層マンションなんですから、景色が綺麗なのは当たり前ですよ。別に暁生さんが凄いんじゃありません」
「そうかな~?こんなマンションに住めるなんて凄いと思うよ!」
「若も凄いマンション持ってますよ?」
「確かに!銀くんのマンションも凄いよね~」
「しかもそのマンション、若のマンションですからね!」
「え!?あのマンション、銀くんのなの!?」
「はい。他にもクラブのオーナーだし、店も持ってるし………」
「銀くんって、やっぱ凄いね……!」
「はい、俺の二番目に尊敬している人です!」
「へぇー!一番は誰?」
「組長……あ、元・組長です!あの方はほんと、素晴らしい!」
「フフ……なんか、嬉しい……!私が褒められたわけじゃないけど、お父さんのことそんな風に言ってもらえて嬉しい!」
「楽しそうだね。人の家で、二人共」
そこにいじけたように暁生が、一颯の顔を覗き込んできた。
「あ、ごめんね!」
「ううん。一颯、寂しいから慰めて?」
「え?慰め……えーと…よしよし!ごめんね、暁生くん」
暁生の頭をゆっくり撫でる。
暁生は少し照れたように、微笑んだのだった。