禁忌は解禁された
銀二は一颯の手を優しく掴み、両手で包み込んだ。
「では、一つ宜しいですか?」
「うん」
「今度の姫のお食事会。
私もついて行っていいですか?」
「え………」
「この前の志乃さん達とのお食事、井田も一緒にお食事を頂いたとか?
しかも!非常に!!あり得ないんですが、井田も“姫と一緒の”席でお食事したそうですね!」
「し、知ってたの…?」
「もちろんですよ。
“かなり”井田とは仲良くなっていらっしゃいますね!確かに私の頭が固いのは否定しませんが、井田は柔軟過ぎます!
あ、ちなみに!!井田にはよく言って聞かせてますので!もう二度と、勝手な行動を取るなと!」
「でも少しくらい━━━━━」
「てことで!今度のお食事、私も井田と一緒にお供させていただきますね!」
「お仕事は?」
「その日は、町野と百田で十分です!」
「そんな……」
「組長、それで宜しいでしょうか?」
「いいよ!あ、ちなみに!俺も途中参加しようかなぁ~!」
「はい?」
「一颯、バレバレだからな!」
「な、何が?」
「お、と、こ!!いるよな?その食事会」
「え……?もしかして、暁生くんに聞いたとか?」
「はい。
男がいるなら、井田では頼りないですので!!」
こ、怖い………!!!
一颯は、早々から怯え出すのだった。
お食事とは、大学の同期のみんなで毎年行っている食事会のことだ。
暁生は仕事の関係で、一颯も颯太の許可を得ることができずあまり出席したことがない。
今年は、なんとか颯天を説得しやっと出席できると楽しみにしていたのだ。
それに井田なら、一颯の邪魔をすることなくできる限り見守ってくれるだろうと安心していたのだ。
しかし━━━━━━
銀二が来るとなると、全く安心できない。
銀二に冗談は通用しない。
しかも、相手が男性だと警戒心と嫌悪がハンパないのだ。
「銀くん、どうしても来るの?」
「はい」
「私は、もっと力抜いていいよって言ったんだよ?」
「はい。だから、私がやりたいようにやらせていただきます」
「え?」
「可能なら、以前のように“私が”姫の護衛をやりたいと思ってたので!」
「そう…なの…?」
「はい。しかしお父様に組長のことを託されたので、姫の護衛は井田に頼むしかなかった」
「でも井田くん、しっかり守ってくれてるよ?」
「はい。わかってますよ。井田が悪いなんて思ってません。
…………………俺が、貴女を、お守りしたいんです……!」
グッと耳元に顔を近づけ、耳打ちしたのだった。
「では、一つ宜しいですか?」
「うん」
「今度の姫のお食事会。
私もついて行っていいですか?」
「え………」
「この前の志乃さん達とのお食事、井田も一緒にお食事を頂いたとか?
しかも!非常に!!あり得ないんですが、井田も“姫と一緒の”席でお食事したそうですね!」
「し、知ってたの…?」
「もちろんですよ。
“かなり”井田とは仲良くなっていらっしゃいますね!確かに私の頭が固いのは否定しませんが、井田は柔軟過ぎます!
あ、ちなみに!!井田にはよく言って聞かせてますので!もう二度と、勝手な行動を取るなと!」
「でも少しくらい━━━━━」
「てことで!今度のお食事、私も井田と一緒にお供させていただきますね!」
「お仕事は?」
「その日は、町野と百田で十分です!」
「そんな……」
「組長、それで宜しいでしょうか?」
「いいよ!あ、ちなみに!俺も途中参加しようかなぁ~!」
「はい?」
「一颯、バレバレだからな!」
「な、何が?」
「お、と、こ!!いるよな?その食事会」
「え……?もしかして、暁生くんに聞いたとか?」
「はい。
男がいるなら、井田では頼りないですので!!」
こ、怖い………!!!
一颯は、早々から怯え出すのだった。
お食事とは、大学の同期のみんなで毎年行っている食事会のことだ。
暁生は仕事の関係で、一颯も颯太の許可を得ることができずあまり出席したことがない。
今年は、なんとか颯天を説得しやっと出席できると楽しみにしていたのだ。
それに井田なら、一颯の邪魔をすることなくできる限り見守ってくれるだろうと安心していたのだ。
しかし━━━━━━
銀二が来るとなると、全く安心できない。
銀二に冗談は通用しない。
しかも、相手が男性だと警戒心と嫌悪がハンパないのだ。
「銀くん、どうしても来るの?」
「はい」
「私は、もっと力抜いていいよって言ったんだよ?」
「はい。だから、私がやりたいようにやらせていただきます」
「え?」
「可能なら、以前のように“私が”姫の護衛をやりたいと思ってたので!」
「そう…なの…?」
「はい。しかしお父様に組長のことを託されたので、姫の護衛は井田に頼むしかなかった」
「でも井田くん、しっかり守ってくれてるよ?」
「はい。わかってますよ。井田が悪いなんて思ってません。
…………………俺が、貴女を、お守りしたいんです……!」
グッと耳元に顔を近づけ、耳打ちしたのだった。