禁忌は解禁された
一颯の足元に跪く銀二。
「銀くんこそ。大丈夫だった?」
「はい、大丈夫ですよ」
「そう…良かった」
切なそうに微笑む、一颯。
「姫……?」
それから、屋敷に帰った一行。
銀二は、いつものように廊下で空を見上げていた。
「銀くん」
「え?あ、姫」
「やっぱり、ここにいた!」
少し微笑んだ一颯が、銀二の方に寄ってくる。
「どうかされました?」
「銀くん」
「はい」
「………」
「……姫…?」
「…………………銀くん、いいんだよ。銀くんのしたいようにして」
「え……?」
「銀くんは優しいから、私達の傍にいてくれてるんでしょ?もう、ママもお父さんもいないんだし……組のことはいいんだよ。大丈夫!私がちゃんと、颯天を支えるから!」
「………………姫は…姉さんにほんっと、そっくりですね」
「え?」
「中学生の時に、お父様に拾っていただいてからずっと、必死に神龍の為に尽くしてきました。
でも一度だけ、逃げようと思ったことがあります」
「そう…なの?」
「姉さんが……亡くなった時です」
「銀く……」
「あの日のことは、私達の最大の痛みです。
姉さんは、私達を守る為に自分で………
姉さんはいつだって、お父様や颯天坊っちゃん、姫、それに私達のことばかり考えてました。
残酷な世界にいる私達の“光”みたいな人だった。
そして私にとっては、自分の命より大切な人。
そんな人を亡くして、もう……全てがどうでもよくなって……」
「そうだよね……」
「でもまたすぐに、神龍の為に生きていく決心をしたんですよ」
「え?」
銀二が、一颯の手を握る。
「貴女がいたからです」
「わ、私……!?」
「あの時も、姫は私に同じこと言ったんですよ」
「え?」
「“ママがいなくなっちゃったから、銀くんは銀くんのしたいようにしていいよ”って!
お母様がいなくなったこと、一番悲しんでるはずの貴女が私を気遣って言ってきた。
“大丈夫だよ”って。
その時、姉さんと姫が重なって……
思いました。
あぁ、やっぱ親子なんだなぁって!
だったら今度は、姫の為に生きていきたいって!」
「銀くん…」
「私のしたいようにしていいんですよね?」
「うん」
「だったら……私は、姫の為に生きていきたいです。
私が、姫を守りたい。
貴女の為なら、私の人生……捧げても惜しくない」
「……/////」
「姫?どうし━━━━━━」
まるでプロポーズのような言葉に、思わず一颯は顔を赤くする。
「ううん!何もない…よ…
部屋、戻るね!」
顔を赤くしたまま、足早に部屋に戻る一颯だった。
「銀くんこそ。大丈夫だった?」
「はい、大丈夫ですよ」
「そう…良かった」
切なそうに微笑む、一颯。
「姫……?」
それから、屋敷に帰った一行。
銀二は、いつものように廊下で空を見上げていた。
「銀くん」
「え?あ、姫」
「やっぱり、ここにいた!」
少し微笑んだ一颯が、銀二の方に寄ってくる。
「どうかされました?」
「銀くん」
「はい」
「………」
「……姫…?」
「…………………銀くん、いいんだよ。銀くんのしたいようにして」
「え……?」
「銀くんは優しいから、私達の傍にいてくれてるんでしょ?もう、ママもお父さんもいないんだし……組のことはいいんだよ。大丈夫!私がちゃんと、颯天を支えるから!」
「………………姫は…姉さんにほんっと、そっくりですね」
「え?」
「中学生の時に、お父様に拾っていただいてからずっと、必死に神龍の為に尽くしてきました。
でも一度だけ、逃げようと思ったことがあります」
「そう…なの?」
「姉さんが……亡くなった時です」
「銀く……」
「あの日のことは、私達の最大の痛みです。
姉さんは、私達を守る為に自分で………
姉さんはいつだって、お父様や颯天坊っちゃん、姫、それに私達のことばかり考えてました。
残酷な世界にいる私達の“光”みたいな人だった。
そして私にとっては、自分の命より大切な人。
そんな人を亡くして、もう……全てがどうでもよくなって……」
「そうだよね……」
「でもまたすぐに、神龍の為に生きていく決心をしたんですよ」
「え?」
銀二が、一颯の手を握る。
「貴女がいたからです」
「わ、私……!?」
「あの時も、姫は私に同じこと言ったんですよ」
「え?」
「“ママがいなくなっちゃったから、銀くんは銀くんのしたいようにしていいよ”って!
お母様がいなくなったこと、一番悲しんでるはずの貴女が私を気遣って言ってきた。
“大丈夫だよ”って。
その時、姉さんと姫が重なって……
思いました。
あぁ、やっぱ親子なんだなぁって!
だったら今度は、姫の為に生きていきたいって!」
「銀くん…」
「私のしたいようにしていいんですよね?」
「うん」
「だったら……私は、姫の為に生きていきたいです。
私が、姫を守りたい。
貴女の為なら、私の人生……捧げても惜しくない」
「……/////」
「姫?どうし━━━━━━」
まるでプロポーズのような言葉に、思わず一颯は顔を赤くする。
「ううん!何もない…よ…
部屋、戻るね!」
顔を赤くしたまま、足早に部屋に戻る一颯だった。