禁忌は解禁された
「颯天!!」
「やっと来たー!」
「オセーよ!!」
颯天が中に入ると、既に元・同級生が集まっていた。
「わりぃ!」
「颯天くんだぁー」
「久しぶり~」
「は?なんで、女がいんの?」
「やっぱ、女がいた方が盛り上がるかなって!」
「道加も、もうすぐ来るよ」
「道加!?」
「━━━━━━ごめんね、遅くなっちゃった!」
「おっ!噂をすれば!」
道加は颯天の存在を認めると、微笑み向かいの席に座った。
「久しぶり、颯天」
「うん」
颯天は、真っ直ぐ道加を見る。
「何?」
「お前、変わった?」
「変わったのは、颯天でしょ?
こんな風に真っ直ぐ見てくれるの“初めて”だね」
「は?」
「あの時、颯天は私を見てなかった。
お姉さんを見てたじゃない?」
それはそうだ━━━━━
道加と付き合ったのは、一颯に雰囲気が似てたから。
ただ、それだけの理由だ。
道加を一颯に紹介した時……
一颯の傷ついた表情を見て、颯天は禁忌を犯すことを決断したのだから。
「まぁ、そうかも?」
「結婚したって聞いたんだけど、相手はどんな人?」
「一颯」
「は?」
「だから、元・姉ちゃん」
「は?冗談やめてよ!姉弟で結婚できるわけないでしょ?」
「姉弟じゃなかったから」
「え……」
「姉弟じゃなかった。
俺はガキの頃に、親父と母さんに引き取られたんだ。
俺と一颯は、正真正銘“他人”だった。
だから俺が一度神龍寺から籍を抜いて、神龍寺の婿に入った」
「嘘でしょ……!?」
辰之や一部の同級生は知っていたが、道加達は知らなかった事実。
特に道加は、今回の再会でチャンスを狙っていた。
しかし相手が一颯となると、チャンスはないに等しい。
「冗談でこんなバカなこと言わねぇし」
「道加、まさか!颯天とより戻そうと思ってたのかよ!?」
同級生の一人が言う。
「え……!?」
「図星かよ……!?」
「無理だろ!?
相手は、あの“伝説の姫君”だぜ!」
「無理、無理!!」
「なんだよ、伝説の姫君って」
「颯天、嫁さんのことなのに知らねぇの?」
「一颯、あんま昔のこと教えてくんないもん」
「俺さ、颯天の姉ちゃんと同じ大学だろ?
ウチの大学に、チョー美人の助教がいんだよ!
テレビにも取り沙汰されるくらいの美人でさ!」
「あー見たことある!
“あり得ないくらいの美人助教”だって!」
「その助教が、唯一負けを認めたってのが颯天の姉ちゃんなんだ」
「ふーん」
「当時、凄かったみたいだぜ!姉ちゃん!
あまりにも綺麗過ぎて………色んな学生や他校の学生までがヤクザ組長の娘ってこと忘れて、口説いてたって噂だし!」
「やっぱ、スゲーな!颯天の姉ちゃん!」
「やっと来たー!」
「オセーよ!!」
颯天が中に入ると、既に元・同級生が集まっていた。
「わりぃ!」
「颯天くんだぁー」
「久しぶり~」
「は?なんで、女がいんの?」
「やっぱ、女がいた方が盛り上がるかなって!」
「道加も、もうすぐ来るよ」
「道加!?」
「━━━━━━ごめんね、遅くなっちゃった!」
「おっ!噂をすれば!」
道加は颯天の存在を認めると、微笑み向かいの席に座った。
「久しぶり、颯天」
「うん」
颯天は、真っ直ぐ道加を見る。
「何?」
「お前、変わった?」
「変わったのは、颯天でしょ?
こんな風に真っ直ぐ見てくれるの“初めて”だね」
「は?」
「あの時、颯天は私を見てなかった。
お姉さんを見てたじゃない?」
それはそうだ━━━━━
道加と付き合ったのは、一颯に雰囲気が似てたから。
ただ、それだけの理由だ。
道加を一颯に紹介した時……
一颯の傷ついた表情を見て、颯天は禁忌を犯すことを決断したのだから。
「まぁ、そうかも?」
「結婚したって聞いたんだけど、相手はどんな人?」
「一颯」
「は?」
「だから、元・姉ちゃん」
「は?冗談やめてよ!姉弟で結婚できるわけないでしょ?」
「姉弟じゃなかったから」
「え……」
「姉弟じゃなかった。
俺はガキの頃に、親父と母さんに引き取られたんだ。
俺と一颯は、正真正銘“他人”だった。
だから俺が一度神龍寺から籍を抜いて、神龍寺の婿に入った」
「嘘でしょ……!?」
辰之や一部の同級生は知っていたが、道加達は知らなかった事実。
特に道加は、今回の再会でチャンスを狙っていた。
しかし相手が一颯となると、チャンスはないに等しい。
「冗談でこんなバカなこと言わねぇし」
「道加、まさか!颯天とより戻そうと思ってたのかよ!?」
同級生の一人が言う。
「え……!?」
「図星かよ……!?」
「無理だろ!?
相手は、あの“伝説の姫君”だぜ!」
「無理、無理!!」
「なんだよ、伝説の姫君って」
「颯天、嫁さんのことなのに知らねぇの?」
「一颯、あんま昔のこと教えてくんないもん」
「俺さ、颯天の姉ちゃんと同じ大学だろ?
ウチの大学に、チョー美人の助教がいんだよ!
テレビにも取り沙汰されるくらいの美人でさ!」
「あー見たことある!
“あり得ないくらいの美人助教”だって!」
「その助教が、唯一負けを認めたってのが颯天の姉ちゃんなんだ」
「ふーん」
「当時、凄かったみたいだぜ!姉ちゃん!
あまりにも綺麗過ぎて………色んな学生や他校の学生までがヤクザ組長の娘ってこと忘れて、口説いてたって噂だし!」
「やっぱ、スゲーな!颯天の姉ちゃん!」