禁忌は解禁された
「だから、道加には無理!お前も美人だけど、敵わねぇよ!」

「わかってるわよ!」
道加は悔しさを紛らわす為、ビールを一気飲みするのだった。


「━━━━━━━なぁ、颯天」
それから楽しく時間が過ぎ、同窓会の中盤頃━━━━
みんな酒が入り、心地よい酔いに包まれていた。

「ん?」
「刺青見せてー」
「あ?やだよ」
「やっぱ、姉ちゃんの名前とか入れてんの?」
「ううん」

「龍を入れてるよ、颯天」
辰之が言う。
「辰之、見たことあんの?」
「うん。俺も龍、腕に入れてるし。
颯天は、背中と胸だよな?」
「うん」
「へぇー、見せてー!」
「やだ!!」
「俺も脱ぐからさぁー」

「は?バカか!?お前の裸なんか見たくもねぇ(笑)」


「ガハハハッ!!確かに~(笑)」



一方の一颯━━━━━━━━━

「寂しい……」
豪華な一人分の夕食を前に呟く、一颯。

「ねぇ、みんなで食べよ!」
「しかし、姫。
私達は、姫と一緒の席につけないんです。
貴女と私達は、身分が違う」
銀二が真っ直ぐ一颯を見て言う。

「じゃあ、夕食いらない」

「姫……」
「一人は嫌なの。ごめんね……明日、颯天と食べるから、残しておいて?」
一颯はそう言って、ダイニングを出ていった。

「若、少しくらい…姫の意向にそってあげましょうよ!」
井田が銀二に言う。
「………そう、だな……
井田、準備してくれ。俺は姫を呼んでくる」
「はい!」

銀二は一颯を追う為、ダイニングを出た。


「━━━━━━フフ…美味しいね!」
「はい、そうですね!」
井田も嬉しそうに食べている。

「…………あの、姫?」
「ん?」
「あまり、見ないでください////」
銀二が恥ずかしそうに、一颯から目をそらす。

「だって、初めてなんだもん!
銀くんが食事してるところを見るなんて……!」
「そうですね。初めてですね」
「フフ…はい、銀くん!」
「え?」
「お酌。どうぞ!」
「そんな……滅相もございません!」
「いいでしょ?たまには、お酌される方も!」
「姫!!」
つい、声を荒らげてしまう銀二。

「え……そんな、怒らなくても……」
「あ…いえ……そんなつもりは…
申し訳…ありません…」
一颯が目を見開き、銀二も慌てて謝罪する。

「私…お部屋に戻るね……ご馳走さま…」
一颯は肩を落とし、部屋に戻ったのだった。


部屋に戻った一颯。
スマホを操作する。
颯天に電話をしようとして、動きが止まる。
頭を振り、スマホをテーブルに置いた。

“俺は、一颯がいないと死にそうになるのに、なんで一颯は平気なの?”

「平気なわけないでしょ!?颯天のバカ!!」

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