禁忌は解禁された
「姫、こちらへ」
「うん」
一颯を壁側に誘導する。

「銀二、一颯は俺の横!」
「でしたら、姫を壁側にお願いします。
道路側は、連れ去られます」

「へいへい。一颯、おいで?手、繋ご?」
「うん」

「な、なんかスゲー」
「だよな…」
「SPみたいだな」
颯天、一颯、銀二を後ろから見ながら話す、辰之達だった。


「結構…冷えるね……」
「一颯、大丈夫?」
「うん」

すると銀二がすかさずジャケットを脱ぎ、一颯の肩にかけた。
「姫、大丈夫ですか?」
「え………銀くん、ダメだよ!私は大丈夫だから」
「いえ、私は大丈夫ですから、着ててください」

「つか…銀二さん、騎士みたいっすね!」
「え?」
「一颯さんのこと、よく見てるっつうか…
大学でも凄かったって聞きました」
「陽大さんは、◯◯大なんですか?」
「はい」
「そうですか」
「あの頃は、いつも銀くんといたよねー」
一颯が微笑む。

「そうですね!」
「あの頃、暁生くんじゃなくて、銀くんが恋人だって思われてたんだよ(笑)」

「あー、だから暁生に嫌われてたのか……」

「え?」
「銀二、暁生に嫌われてたの?」
「はい。はっきり言われました。
“お前、嫌いだ”って」

「え?暁生くんが!?どうして!?」

「きっと、私が放れなかったからだと思います。
嫉妬してたんじゃないかと……」
「あ、だからか……」
「ん?何が?」

「え……う、ううん!」
一颯の目が泳ぐ。

「姫?」
「一颯さん?」

五人から注目を浴びる、一颯。

「ちょっ…/////み、見ないで////」
恥ずかしさで、颯天の背中に隠れる。

「一颯さんって……/////」
「か、可愛い……/////」
「ヤバい…////可愛すぎだろ…////」
辰之達が、見惚れている。

「一颯?」
「……////」
「姫?」
「……/////は、早く行こ?」

歩みを進める。

大学生の頃を思い出していた━━━━━━━

『一颯』
『ん?』
『銀二さんに、言ってよ』
『何を?』

『私には、暁生くんがいるから騎士なんか必要ないって!!』

『え?どうしたの?』
『俺だって、一颯を守れるよ』
『うん、そうだね』
『だから、言って!』
『でも、それは……それに、銀くんはお父さんに言われてしかたなく騎士してるんだよ』

『………だったら、閉じ込めていい?』

『え……?』



『親父さんにも、銀二さんにも、颯天にも会わせない!一颯を、監禁する!』
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