禁忌は解禁された
あっという間に、雨が降りだした。
「何が?」
「道加さんに言われたの。
私のせいで、颯天はこんな汚い世界に身を染めてしまったって。
私を好きになったから、颯天はこの世界に入った。
そうじゃなかったら、普通に結婚して、子どもができて、楽しく暮らしていけたはず。
私のせいで………!!!!」
一颯の目も、既に潤んでいた。
「一颯、それは違う!!!」
「私がいなかったら、颯天は幸せになれた!!」
苦しい思いを吐き出すように、颯天にぶつける。
「一颯!!!
聞いて!!それは違うよ?本当だよ?」
颯天は、一颯の頬を包み込んで言い聞かせる。
「…………雷、鳴るかな?」
ふと、窓を見て言った一颯。
「え……」
そしてフラッと立ち上がり、窓際に向かった。
「雨と雷が、私を連れてってくれないかな?
お父さんとママの所に……」
「一颯!!冗談やめろよ……!!」
「姫!!」
「俺は!!一颯を好きなったこと、後悔したことない!!神龍寺に引き取られたことも、今の生活も!!それよりも、俺は一颯と生きていきたいんだよ!!
全部、俺が!決めたことだ!!」
「颯天…」
「姫、もう…帰りましょう。
貴女は、私達の“姫君”なんです。
我々は自分の意思で、この世界にいる。
そして自分の意思で、組長や姫を守りたいと思ってます。
だから、私達に守らせてください。
姫のその笑顔が、私達の生きる証です。
だから、私達の心の癒しでいてください!」
「…………わかった。
颯天、銀くん、みんなも…ごめんね。ありがとう!」
「姫、我々幹部が組長を精一杯支えます。
ウチの組長はかなり若くて規格外の組織ですが、どこよりも強い。
大丈夫ですから、組長や若、我々組員達を見守っていてください」
「はい!」
漸く、一颯の顔に笑顔が戻った。
事務所を出ると、雨足は強くなっていて大雨になっていた。
「雷、鳴らないよね……?」
「大丈夫。俺がいる」
一颯が見上げると、颯天が微笑んでいた。
「神龍寺ぃぃぃーーーー!!!」
そこへ大声が響き渡り、男が拳銃を向けてきた。
瞬間的に颯天が一颯を抱き締め、その颯天を組員達が取り囲む。
「一颯!大丈夫だから、動くなよ!」
一颯は颯天にしがみつき、祈っていた。
(お願い!もう…誰も連れていかないで……!!)
一颯の思いが届いたのか、すぐに男は取り押さえられた。
「組長!!姫を早く車へ!」
銀二の声かけで、颯天が頷き一颯を守るように車へ急いだ。
井田が後部座席を開ける。
すると、一颯の耳に不気味な音が響いた。
颯天や銀二、井田は気づいていないが、背の低い一颯の目にはしっかり見えた。
組員の中の一人が、腰の低い位置から折り畳みナイフで、こちらを狙っていた。
「え……颯、天……?」
颯天を狙って、こちらへ来る。
「颯天!!危ない!!」
一颯は咄嗟に、颯天を庇い男の前に立ちはだかった。
ドドーーーーーーン!!!
雷が、鳴り響いた。
「何が?」
「道加さんに言われたの。
私のせいで、颯天はこんな汚い世界に身を染めてしまったって。
私を好きになったから、颯天はこの世界に入った。
そうじゃなかったら、普通に結婚して、子どもができて、楽しく暮らしていけたはず。
私のせいで………!!!!」
一颯の目も、既に潤んでいた。
「一颯、それは違う!!!」
「私がいなかったら、颯天は幸せになれた!!」
苦しい思いを吐き出すように、颯天にぶつける。
「一颯!!!
聞いて!!それは違うよ?本当だよ?」
颯天は、一颯の頬を包み込んで言い聞かせる。
「…………雷、鳴るかな?」
ふと、窓を見て言った一颯。
「え……」
そしてフラッと立ち上がり、窓際に向かった。
「雨と雷が、私を連れてってくれないかな?
お父さんとママの所に……」
「一颯!!冗談やめろよ……!!」
「姫!!」
「俺は!!一颯を好きなったこと、後悔したことない!!神龍寺に引き取られたことも、今の生活も!!それよりも、俺は一颯と生きていきたいんだよ!!
全部、俺が!決めたことだ!!」
「颯天…」
「姫、もう…帰りましょう。
貴女は、私達の“姫君”なんです。
我々は自分の意思で、この世界にいる。
そして自分の意思で、組長や姫を守りたいと思ってます。
だから、私達に守らせてください。
姫のその笑顔が、私達の生きる証です。
だから、私達の心の癒しでいてください!」
「…………わかった。
颯天、銀くん、みんなも…ごめんね。ありがとう!」
「姫、我々幹部が組長を精一杯支えます。
ウチの組長はかなり若くて規格外の組織ですが、どこよりも強い。
大丈夫ですから、組長や若、我々組員達を見守っていてください」
「はい!」
漸く、一颯の顔に笑顔が戻った。
事務所を出ると、雨足は強くなっていて大雨になっていた。
「雷、鳴らないよね……?」
「大丈夫。俺がいる」
一颯が見上げると、颯天が微笑んでいた。
「神龍寺ぃぃぃーーーー!!!」
そこへ大声が響き渡り、男が拳銃を向けてきた。
瞬間的に颯天が一颯を抱き締め、その颯天を組員達が取り囲む。
「一颯!大丈夫だから、動くなよ!」
一颯は颯天にしがみつき、祈っていた。
(お願い!もう…誰も連れていかないで……!!)
一颯の思いが届いたのか、すぐに男は取り押さえられた。
「組長!!姫を早く車へ!」
銀二の声かけで、颯天が頷き一颯を守るように車へ急いだ。
井田が後部座席を開ける。
すると、一颯の耳に不気味な音が響いた。
颯天や銀二、井田は気づいていないが、背の低い一颯の目にはしっかり見えた。
組員の中の一人が、腰の低い位置から折り畳みナイフで、こちらを狙っていた。
「え……颯、天……?」
颯天を狙って、こちらへ来る。
「颯天!!危ない!!」
一颯は咄嗟に、颯天を庇い男の前に立ちはだかった。
ドドーーーーーーン!!!
雷が、鳴り響いた。