禁忌は解禁された
その日の夜。
颯天が銀二を連れ、病院に着いた。
「組長、まだなかなか黒幕の存在が出てこなくて…」
「銀二らしくねぇな」
「すみません。
━━━━━組長。もしかしたら、組内…しかも幹部の中に裏切り者がいるかもしれません」
「は?」
「もちろん、屋敷内の幹部の中にはいません。
しかし、それ以外の幹部の中に……」
「おっさん達の中か……」
「はい。とにかく、引き続き調査します」
「ん。わかった」
そして二人は恐ろしい雰囲気を消し、一颯の病室に向かった。
「ただいまー、一颯!」
「姫、ただいま帰りました!
井田、状況変化ないな?」
「フフ…ありましたよ、状況変化」
「は?姫に何か……!!?」
「はい!大きな変化ありましたよね?ねー、姫!」
「うん!!スッゴい大きな変化!!」
一颯と井田が、ニコニコしている。
「なんだよ、二人して!」
颯天がベッド脇に座り、一颯の顔を覗き込んだ。
「颯天」
「ん?」
「私達、パパとママになるよ!」
「は?」
「颯天が、パパになるの!!」
「え………」
「姫…まさか……!?」
「うん!9週目だって!!」
「………マジで!!?」
「うん!」
「俺が、親父!!?」
「うん!」
「すげー!!!」
「組長、姫!おめでとうございます!!」
銀二も微笑み、嬉しそうに言ったのだった。
そして━━━━━━
一颯が退院し、屋敷に帰って一ヶ月経った。
「一颯、ただいまー」
「おかえり!」
「姫、ただいま帰りました!」
「え?銀くん、また買ってきたの?」
「はい、服が可愛くて……こっちは、玩具です!」
「銀くん、まだ男の子か女の子かわからないんだよ?」
「はい。ですから、どちらでもいいように無難な色の服です!」
「若の子じゃないんですよ?」
井田が呆れたように言う。
「わかってる!でも伯父みたいな気分で、嬉しくて!」
「こんな調子で、この先大丈夫かよ(笑)!?」
井田がまた、呆れたように言った。
それからも順調に赤ちゃんが育ち、妊娠8ヶ月になった頃。
「だいぶ、大きくなってきたなぁ!」
ベッドの上で颯天が一颯を後ろから抱き締め、腹をさすっている。
最近は、いつもこの体勢で颯天と一颯は我が子に話しかけている。
「うん!あと二ヶ月したら、臨月だもん!
そしたら、会えるね!」
「楽しみ!」
「うん!」
「なぁ、いい加減教えてよ!」
「ん?」
「男?女?」
「そんな、知りたいの?」
「知りたい!!」
「それより、名前!!考えてくれてる?」
「だから!その事もあるだろ?」
「━━━━の子だよ!」
一颯が耳打ちした。
颯天が銀二を連れ、病院に着いた。
「組長、まだなかなか黒幕の存在が出てこなくて…」
「銀二らしくねぇな」
「すみません。
━━━━━組長。もしかしたら、組内…しかも幹部の中に裏切り者がいるかもしれません」
「は?」
「もちろん、屋敷内の幹部の中にはいません。
しかし、それ以外の幹部の中に……」
「おっさん達の中か……」
「はい。とにかく、引き続き調査します」
「ん。わかった」
そして二人は恐ろしい雰囲気を消し、一颯の病室に向かった。
「ただいまー、一颯!」
「姫、ただいま帰りました!
井田、状況変化ないな?」
「フフ…ありましたよ、状況変化」
「は?姫に何か……!!?」
「はい!大きな変化ありましたよね?ねー、姫!」
「うん!!スッゴい大きな変化!!」
一颯と井田が、ニコニコしている。
「なんだよ、二人して!」
颯天がベッド脇に座り、一颯の顔を覗き込んだ。
「颯天」
「ん?」
「私達、パパとママになるよ!」
「は?」
「颯天が、パパになるの!!」
「え………」
「姫…まさか……!?」
「うん!9週目だって!!」
「………マジで!!?」
「うん!」
「俺が、親父!!?」
「うん!」
「すげー!!!」
「組長、姫!おめでとうございます!!」
銀二も微笑み、嬉しそうに言ったのだった。
そして━━━━━━
一颯が退院し、屋敷に帰って一ヶ月経った。
「一颯、ただいまー」
「おかえり!」
「姫、ただいま帰りました!」
「え?銀くん、また買ってきたの?」
「はい、服が可愛くて……こっちは、玩具です!」
「銀くん、まだ男の子か女の子かわからないんだよ?」
「はい。ですから、どちらでもいいように無難な色の服です!」
「若の子じゃないんですよ?」
井田が呆れたように言う。
「わかってる!でも伯父みたいな気分で、嬉しくて!」
「こんな調子で、この先大丈夫かよ(笑)!?」
井田がまた、呆れたように言った。
それからも順調に赤ちゃんが育ち、妊娠8ヶ月になった頃。
「だいぶ、大きくなってきたなぁ!」
ベッドの上で颯天が一颯を後ろから抱き締め、腹をさすっている。
最近は、いつもこの体勢で颯天と一颯は我が子に話しかけている。
「うん!あと二ヶ月したら、臨月だもん!
そしたら、会えるね!」
「楽しみ!」
「うん!」
「なぁ、いい加減教えてよ!」
「ん?」
「男?女?」
「そんな、知りたいの?」
「知りたい!!」
「それより、名前!!考えてくれてる?」
「だから!その事もあるだろ?」
「━━━━の子だよ!」
一颯が耳打ちした。