禁忌は解禁された
更に半年が経ち、神龍組にいつもの日常が戻った。

「ただいまーー!一颯ーー!颯馬ーー!」
「ぱぱーー!」
「おかえり!颯天!銀くん、暁生くん、町野くん、百田くん」

「姫、颯馬坊っちゃん。ただいま帰りました!」

「あきお、またおしえて!けんか」
「颯馬、ダメだよって言ったでしょ?」

「だって、ぱぱにかちたいんだもん」

「なんで?」
「フフ…颯馬、組長から姫を奪いたいんだと!」
「はぁぁ!?
颯馬!ママは、俺のなの!」
「やだ!!ままは、ぼくのもの!!」
「はぁぁ!?お前に渡すか、バカ!!」
「こら、颯天!
颯馬にバカなんて言わないで!!」

「だってぇー!」


「でも、あきおがきんきんをおかせばいいから、ままとぼくはけっこんできるって」

「きんきん?」
「なんだ、そりゃあ…」
一颯と颯天が、首をかしげる。

「「━━━━
あーーー!!」」

「禁忌!!?」
「ちょっ…暁生くん!!?」
「暁生!!颯馬坊っちゃんに、何言ってんだ!!?」
颯天、一颯、銀二が暁生に詰め寄る。

「あ、いや、ちょっと、冗談で……ポロッと……」

「「「ふざけるな(ふざけないで)!!!」」」

「ごめんなさーーい!!」


井田「暁生、バカだな」
町野「ほんっと、変な組だよなぁー」
百田「確かに(笑)
何もかもが、規格外。
でも、何故か離れられない」


井田「最強だもんなぁー、神龍組は」


町野・百田「確かに!!」


「一颯、ギュッてしよ?」
「うん!」
颯天に抱きつく。

「あーーー!!」
「なんだよ、颯馬」
「まま、ぼくもだっこ!!」

「フフ…はい、おいで?」
一颯が颯馬を抱き上げた。

「颯馬、大きくなってきたね!」
「うん!」
「すぐ、ママは越されちゃうなぁー」
「うん!ぼくが、ままをまもってあげるよ?」
「フフ…ありがとう!」

「………」
「颯天?」
「ぱぱ?」


井田「組長が、嫉妬してる(笑)」
町野「フフ…可愛いな」
百田「でも、息子に嫉妬って……(笑)」


「颯馬坊っちゃん、もうそろそろ下りましょう!」
「え?」
「ほら、暁生が遊んでくれるみたいですよ?」

「は?」
銀二の言葉に、暁生がフリーズする。
「ほんと?あきお、さっかーしたい!」
「あ、あぁ…
つか!俺も、姫と話したいのにぃ!」
文句を言いながら、颯馬に手を引っ張られて行った暁生だった。


井田「若が……」
町野「嫉妬…してる……」
百田「姫は、人気者だなぁー」

「一颯、今日もいっぱい愛し合おうな!
颯馬に、弟か妹作ってもいいし」
「もう////颯天は!」

「組長、あまり姫に負担をかけないようにお願いします!」

「何、銀二。嫉妬?」
「なっ…////」
「フフ…」


「「一颯、笑うな(姫、笑わないでください)!!」」





これは、元・姉弟夫婦の物語。



一颯を愛してやまない颯天と、みんなに愛される姫の話━━━━━━


今日も、神龍組は生きている。







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