臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
そもそも,なんで澪はここにいるの?

理解できないのだから,せめてここにお義母さんがいて欲しいと思う。



「麻冬ちゃんが好きそうだなって……久しぶりにかったの。流石兄妹だね,雰囲気が似てたのかも」



あははなんて笑い声も,むなしく消えていく。



「えっと,それで……」



何だろう。



「あっ! 澪さんお金! 貸してくれてありがとう」

「うん。どういたしまして」



ほっと抜けていく息。

そこで部屋全体が


『で?』


という空気に変わる。

フォローしたつもりだったであろう麻冬ちゃんも,どうしたものかと眉を寄せた。



「えっと,澪さん! 私今年高1になったの。また会うかもしれないね」
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