臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
「どうしたの」



直後,礼夢くんが心配そうな声を発する。



『どうしたの』



「礼夢くんこそ,こんな中途半端な時間に,どうした…の」

「礼夢くんこそ,ばっかりだね,みおちゃん」

「だって,だって」

「はいはい。泣きな泣きな。我慢してもいーことないから」



よしよしと頭を撫でられて,抵抗するなんてこともしない。

何も感じてなかったはずなのに,ポロポロポロと大粒の涙が流れていく。



「ふっ…ぅっ」



礼夢,くん。




「どーしたら,いいの」




菖の気持ちも受け入れられない,だけど,拒否するなんて出来ない。

私ははいはいと何度も言う礼夢くんに背中をさすられて,ファミレスの人に見えづらい1番端っこに座った。
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