臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
礼夢くんがスマートにジュースを注文して私に渡す。



「わっ私,お金…」

「いーの。おれの奢りってことで」

「ありがとう」



言ってる間も,止まらない。




「過去の元カレと,私のせいで,酷い別れかたしちゃって,まだ,好きだって言われた。もう,錯覚でも好きなんて思えない,付き合えない,でも私がっ」

「はい一旦落ち着いて。ちゃんと聞くから」



すーっはあぁぁぁ。

言われるまま,深呼吸をする。

礼夢くんは言った通り,1時間続いた私の話を,本当に最後まで聞いてくれた。



「ありがとう,礼夢くん」

「んーん。現状が分からないから,あんま役に立てなかった。またいつでもおいで」

「ふふっ。うん。でもね,聞いてくれただけでも,すっごく嬉しかったの」

「あははっ可愛いこと言っちゃって。早く帰んな?」
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