臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
「澪? 出掛けるの?」
「あぁ,コンビニ行ってくる。ちょっと時間かかるかもだけど,あいつらが来るまでには帰ってくるから」
安心してと言わんばかりに,幻覚かと思う程の一瞬,澪は優しく微笑んだ。
顔が赤く染まり固まる私に,澪は気付きもせず,そのまま出掛けていく。
「……シャワーでも,浴びよ…」
澪の友達が来るなら,ある程度身綺麗にしておきたかった。
今思えば,澪が友達をつれてくるなんて小学生以来のこと。
それも,中学年まで。
何故かそれ以降はパタリと来なくなったのだ。
訊ねても澪は何も教えてくれない。
でも,それよりも。
今の私には,気を紛らす何かが必要だった。
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