臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
「知らない内に,またみおが他のやつにとられたら…って何度も考えた」

「どういう,なんの話を…」

「みおは,誰が好きなの」



なんで…

噂? きっと違う。

なんで,そんな顔をするの。

これはなんの質問なの。



「俺は,なんだかんだみおは俺が好きなんだと思ってた」

「え…?」



気付かれていた? じゃあ,次の言葉はなに…?

違うと,言わなくちゃ。

私達は家族なんだもの。



「だからみおがどれだけ俺から目を逸らしても」



そんなことない,私はずっと澪を見てた。

今だって



「まだやめとこうって,言わないでいられた。実際は違っても,周りから見た俺は,ただの優しい弟でいられた」



澪は優しい,私の義弟だよ。

何も悪くないでしょ…?



「でもみおはすぐ他の男を惹きつけて,元カレまで出てきたら,俺はもう我慢しない」



お願い,それ以上は…

やめて。お願い。

澪は私の…
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