臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
「あ~あ。なんで俺言っちゃったんだろ」



一生,誰にも話すつもりが無かったのに。

俺も,あんな顔してたのかな。

苦しそうにしながらも,解放されたような。

俺はあの時,共犯者になったような気がした。

だから,嫌だったのに。

澪の大事な子だからかな。

みおちゃんには,嫌われたくないのに。

考えて,目の前がパチパチとする。

え……

俺何いってんの。
女の子なんて,可愛いけどみんなおんなじゃん。
ちょっと健気なところを見たからって何を…



「っは,礼夢くん…!」

「…? みおちゃん?」



何してんの,そんな走って。

俺は何となく,ぽけっと走ってくるみおちゃんを眺める。

俺からも迎えに行くなんて考えは出てこなかった。


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