臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
「礼夢…?」

「澪,ごめんな。俺もみおちゃん欲しくなった」

「「は!?」」



驚いて声をあげると,2人の視線が私を向く。

すると,礼夢くんは,みおちゃんは知ってるでしょ? と言うように,いつもの調子で笑う。

でも,だって

何も澪に言わなくったっていいじゃない!!



「言いたいこと言ったし,じゃあね~」



ひらひらと軽薄そうに振られた手。

止めるものもおらず,礼夢くんは飄々と去っていった。

カサリと何かが音をたてる。



「あ…澪,それ」



見慣れたコンビニの袋には,病人のためとしか思えないものが沢山入っていた。

誰がみても,私のために用意されたもの。

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