臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
「私が…?」

「覚えて,ないの?」



思わず溢すと,澪は怪訝な顔に変わり,心配そうに私の顔を覗き込む。



「澪は,いつの,話をしてるの?」

「みおに,好きだって言った時。本当に分からないの」



約束? 誰と,いつ?

"なんの"?

ふらりと,体が傾くの同時。

私の意識がプツリと切れる。

とその刹那,緊迫感のある澪の声と,力強い腕に支えられて,私はハッと目を覚ました。
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