臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
好きだって,言いたい
拐われ
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「ーわっ!」
「うわっ!?」
グラウンドへの道のり,私に小学生じみたイタズラを仕掛けるのは,もちろん礼夢くん。
全快した私は,今日も今日とてグラウンドへ向かっていた。
「ちょっと大きな声ださないでよ!!!」
「あははっやっぱり」
ドキリ。
もう,気付かれたのか。
確かに,今日はいつもと違う。
「何で澪のストーカーしてんのかと思ったら,逆だ。ねぇみおちゃん,何で澪から逃げてんの?」
そう,私は…澪の視界に入らないよう,コソコソと澪の後ろを歩いていたのだ。
礼夢くんの口角がニッと上がる。
「面白そうじゃん? どったの」
私は背の高い礼夢くんを盾にするように歩き,ボソボソと話し始めた。