臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
「ねぇ! どこ行くの?」



私は数歩前を歩く礼夢くんを追いかける……必要もなく。

ゆっくり歩いてくれる礼夢くんに,声をかけた。



「100均」



100均…?

スパッと答えた礼夢くんを,私はぱちぱちと瞬いて見つめた。

礼夢くんはそんな私を,楽しそうに見る。



「まぁ,後でのお楽しみってこと」



____________________




1人で100均に入った礼夢くんは,ものの数分で帰ってくる。



「早かったね」

「んー,まあ。目当ては決まってたし。ほら,行こ」

「も~,まだ行くの?」

「当たり前」



どこかぷらぷらするのかと思ったら,はずれ。

ただ買い物の付き添いをする私。
< 192 / 262 >

この作品をシェア

pagetop