臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
かと思いきや。



「その為に100均寄ったんだから」

「え?」



よく見たら…なんか。



「何買ったの? 大きいね」



カサカサと音を立てる袋に入ってるのは,多分,ラケット。



「そ,バトミントン。みおちゃん,したくない?」

「…いいけど」



ちょっと興味を引かれたのは,秘密。

バトミントンなんて授業以来。

だけどそんなのじゃ本気で楽しめないから,やっぱりちょっとワクワクしてしまう。 



「じゃあ,やっぱり。行き先は公園?」

「うん。前みおちゃん発見した場所の近く」



発見って言わないでよ…

あの時の自分を思い出すと,ちょっぴり恥ずかしい。

ケタケタと笑う礼夢くんは,それも私が気にしないようにしてるんだろうと思うと

優しいな,と思った。
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