臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
「わわわっ」



と私が体勢を崩すと,今度は優しく支えてくれた。

……????

私は男子3人と顔を合わせると,お互い困った顔でアイコンタクトをとる。



「えーと。彼女の名前?」

「彼女じゃない」



ボウズに近い髪型の彼が,とうとうフォローを入れようと動き出した。

それに対し,澪はバッサリと一言だけ返す。

澪は友達の前だといつもこうなのだろうか…

もしかして……と私は1つの答えにたどり着く。

私を,紹介したくないの?

どうして……?

澪とは今まで上手くやって来たつもりだったのに…。

シンプルに,ちょっと沈んだ。



「みおさんは何でいんの?」

「みおって呼ぶな」

「何なんだよお前…もう黙ってろよ…」



疲れた声を落とす彼は,やってられないと質問の相手を私に変えた。
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