臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
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「あれ…お義母さんは?」

「友達ん家。今日は帰って来ないらしい」

「え」



帰って,こないの?

いけない,違う。

私達は姉弟。1夜だろうが2夜だろうが何ともない。

だから,赤くなるな,どきどきするな。

帰宅した現在。

迎えてくれた澪。

靴の無いお義母さん。

運動して気持ちが前向きになったのか,澪とは案外普通に会話することが出来た。

けれど,そこに新たな問題が。

澪と…ふたりきり?

うさぎの心臓のように,私のそれは動きを早める。

もちろん,何か期待しているわけでも,何かされる予感があるわけでも,澪が何かすると思ってるわけでもない。

そこに,何か理屈がある訳じゃない。

澪と二人きり,場面も関係も,関係ないのだ。
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