臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
「みお」



もっもっとからあげを頬張る澪が,私に話しかける。

私はごはんを急いで飲み込んで,? と首をかしげた。



「好き」



!?

私は先にごはんを飲み込んだことを,とてもよい判断だったと思った。

けれどむせるような衝撃には変わりなくて,唾液がおかしな所に入りそうになる。



「はい」



澪に渡されたコップを受け取り,お茶をゆっくりと飲む。



「それ,俺のコップだけど」

「えっ…」



動揺が声に現れて,震えた。



「なに動揺してんの? みお」



澪って,こんないじわる言う人だった?

私しか映してない意地悪な瞳。

頬杖をつくその様子があまりにかっこよくて,私は目をそらした。


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