臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
いかに窮屈だったか。

という風な言い方をする澪に,私は黙りこくる。

けれど

どうゆう意味?!

内心は大忙しだった。

全然終わらなくて,途端に色んな事が気になり始める。

あ~,リンスくらいしとけば良かった!

沸き上がる羞恥心。

そう毎日もしない。

2,3日に一回程度。

今日はシャンプーとお風呂だけ。

そわそわそわそわと動く。



「もっもういいんじゃない?!!」



私の震える必死の声に,澪は「だめ」と短く答えた。

留めるように,私の背中をポンとたたく。



「もうちょっと」



澪の静かな声に,私は反抗するのを辞めた。
< 207 / 262 >

この作品をシェア

pagetop