臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
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カチャと小さな音が聞こえてドアの方を見ると,澪が重たそうなファイルを何冊も抱えて立っている。



「なに? それ」



私も立ち上がって,自然と受け取りに行った。

近くまで来ると,荷物の正体がなんとなく分かる。

もしかして……



「アルバム?」



そんなもの,どこに…

聞いたこともないし,寧ろこの家に無いことを悲しく思っていた。

なのにこれは。

もしかして私たちのじゃない?



「そう。母さんが一々現像してためてたらしい。義父さんに貰ったとか言って,みおの赤ちゃん写真もあるらしいよ」



澪がくすくすと笑う。

お父さん…? 嬉しい。

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