臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
近くの床に座って,カパッと硬い頁を捲ると,早速。



「これ……澪?」

「こっちはみおだね」

「あ,ほんと」



自分より澪に目をとめるなんて。

私は照れ隠しに,じっと2枚の写真を眺めた。

私は……う~ん,あんまり変わらないかも。

当たり前だけど,今より少しふよふよしてて,ちっっちゃい。

すごい。

自分のこんな時代なんて,想像するだけじゃやっぱり分からない。

澪は,可愛い……

思わず惚ける可愛さだ。

今に至りそうな格好いい感じはあるけれど,そこはやっぱり赤ちゃん。

赤ちゃんの頂点に立ちそうなビジュアル。

すやすやと眠る澪に,実物に会ってみたかったと切に思う。
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