臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
私に,似てるところ,あるかな。

美人だ。

でも,服の好みは似てるかもしれない。

また丁寧に捲っていく。

そしてとうとう,私達がセットで登場する。

今の,家族写真。

お父さんは,もういないけれど。

この時から,この時からって分かってはいたけど。



「澪,私達,こんなにちっちゃい時から一緒だったんだね」

「うん。…みお,みおが何を気にしてるのかは知らないけど」

「なに?」



壁についた頭を動かすと,隣に座った澪と目が合う。



「俺達は,変わらないよ。ずっと義姉弟で,だけど…それ以外にもなれる。何も手放さなくていいよ」



ー今は,それだけ分かってて。



澪は言葉を失う私のおでこに,1度だけコツンと自分のを当てた。


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