臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
そして手を離すとき
『みお』 『約束』
『澪が好きなの? 家族なのに?』
『姉弟なんじゃなかったの?!』 『ずっと姉弟だったくせに変』 『みおちゃん』
『待って』 『救急車』『お父さん!』
忙しなく,回る映像。
その場の匂いすらしそうな程鮮明に。
ーあいしてるよ
はあはぁはァ
「っん…」
はっはっ
早い鼓動と息苦しさ。
そんな物と共に,私は起床した。
ー夢見が悪いにも,程があるでしょ…!
起きてないことまでぐちゃぐちゃに。
「最悪……。澪……」
こんな時まで,口をつくのは澪の名前。
私は頭を抱えて,唸るように項垂れた。