臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。

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ひどい,1日だった。

間違える理由すら分からない簡単な問題を外し,直ぐに答え直すことも出来ず。

体育では不特定多数の前で転び怪我をした。

しまいには雫とも会えない。

1人で悩んで,悩んで,おかしな失敗ばかりして。

もう,疲れた。

いつもの倍以上の疲労感に,徒労感。

なんだか馬鹿馬鹿しくなっていく。

途方にくれた感覚に,涙が溢れそうだった。

そんな私は今,リビングのソファーで脱力している。

澪が帰ってきた気配に,出迎えるかすら迷ってしまった。

そして,澪を追うように,チャイムが鳴る。

誰…? 

帰宅したばかりの澪に相手をさせるわけにもいかないか…

澪が出迎える前にと,私は素早く立ち上がった。
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