臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
澪はもう拒絶してしまったし,取り下げる気も無い。

確かに,朝の夢も尾を引いていた。

だから,映画に行くくらい,なんでもないはずだ。

告白を受ける受けないも,私次第。

好きでもない人とは付き合えない。

でも,明日には,好きかもしれない人なら…少し出掛けるくらい……

疲れた頭が,必死に回る。

少し混乱に近かったかもしれない。

礼夢くんが,私の返事をじっと待って,私を見つめていた。

どう,しよう。

礼夢くんはきっと,私に下手な真似はしない。

もしこれからも,こんな風に誘いに来てくれるなら,もしかしたら。

そんな気持ちが,背中を前に押す。

そうだよ,なんにせよ,まずは今日だけの話。
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