臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
「…ただのおつかいよ」

「そっ…か」



何となく居心地が悪くて,そわそわとする私。

雫に,言う? でも,なんて?

雫は私にとって,唯一の存在。

恋敵(ライバル)なのに,いつだって私の1番の味方だった。

だから,ちゃんと報告したい。

それが,道理だと思うから。



「今日に,決めたんだ。やっと,なんだね」



ごちゃごちゃと考え込む私に,何かを察した雫が口を開いた。

顔を上げると,口元に手を当てた雫が,眉をきゅっと寄せて泣いている。

何で,泣いてるのか。

色んな可能性を考えて,けれど不用意に口にすることも出来ない。

だから,なんと言っていいのか,分からない。
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